決算書を作成することを義務付ける法律は「会社法」と「金融商品取引法」の2つあります。
建設業経理士1級の勉強をしていた時はよく理解していませんでした。
そして試験に出てしまったので感覚で解くことに・・・
簿記の試験にも役立つ知識ですが、法律系資格で会社法を学ぶ際にも役立つ知識ですので理解しやすいようにまとめてみました。
金融商品取引法と会社法の違い
まず「金融商品取引法」と「会社法」の傾向について。
【金融商品取引法】
新しく株主になろうとしている人(投資家)のための法律(上場企業用)
【会社法】
すでに株主である人のための利害調整のための法律
簡単にしすぎな気はしますが、イメージはできましたか?
金融商品取引法は上場企業向けの法律です。上場企業については、株の売買が自由に行える会社であるとの認識を持っていれば十分です。
会社法では、資本金5億のラインで大会社とそれ以外に区分しています。
本当は中小企業とはいわないのですが、今回の記事では大会社でない会社のことを中小企業と呼ぶことにします。
それでは具体的に見ていきましょう
上場企業と大会社のイメージを具体的に
上場企業 | 非上場企業 | |
大会社 (資本金5億以上) | 名前をよく聞く会社はココ | 主に地元で大きな会社 |
NOT大会社 (資本金5億未満) | 少数ではあるが存在する | 世の中の大多数の会社 |
会社法の資本金5億の基準と金融商品取引法の上場企業かどうかで分類しました。
まず上場企業ですが、ほとんどが大会社といっていいです。名前をよく聞く会社がここに入ります。
上場している中小企業は存在するのですが今回は存在を無視することにします。
そして非上場企業です。非上場の中小企業である右下が世間一般的な多くの会社が属する位置です。
非上場であって大会社である企業は、主に地元でも大きくて有名な会社が入ります。大きな有名な会社もいます。ロッテや竹中工務店などもここです
ではそれぞれの会社が実際決算においてどう違うのか見ていきます。
決算書の会計監査について
上場企業 | 非上場企業 | |
大会社 (資本金5億以上) | 会社法の監査アリ 金融商品取引法の監査アリ | 会社法の監査アリ |
NOT大会社 | 金融商品取引法の監査アリ | 監査ナシ |
まずつくった決算書を外部監査する義務があるかどうかが違います。
上場企業の場合
上場会社では監査が必須です。というのも投資家にとって会社の内容を知る手段が決算書がメインになるので、投資家のためにも外部の厳しい目でごまかしがないかチェックする必要があるのです。
実は金融商品取引法による決算書はEDINETというサイトで公開されています。
金融商品取引法は「投資家のための法律」であるので誰でも見れるようにしているのですね。
非上場企業の場合
非上場企業は大会社であっても自ら公開していなければ、財務諸表をみるのは難しいです。よって非上場の会社が多い建設会社の経営状況を調べたいときに経審が便利になるのです。
大会社ではない非上場の中小企業では、外部による監査を受けることがありません。会計基準を守らなくてもバレにくいので、中には法人税の計算を重視した決算書にしている会社もいると考えられます。
つまり外部の専門家による監査がない中小企業の決算書は完全に信頼するのは危険だということです。
財務諸表の内容がいい中小企業であっても信用が低い理由の一つです。
連結決算について
上場企業 | 非上場企業 | |
大会社 (資本金5億以上) | 連結決算必須 | 任意 |
NOT大会社 | 連結決算必須 | まず会計監査を受けることから |
連結決算とは、子会社まで含めた決算書をつくることです。
子会社へ赤字を押しつけて親会社の数字を良くするなんてことをされると新しく株主になろうとする人が騙されてしまいます。よって株の売買がある上場会社は連結決算が必須です。
逆に非上場の中小企業は、そもそも外部による監査をしていないので、連結決算しても信頼が置けません。よってつくる必要はありません。
株の売買を制限している地元の大会社については、必要性が薄いので連結決算をする経理能力がない会社が多いことから任意となっています。
最後に
今回はイメージ重視だったのでもし正確に学びたい方がいるのであれば以下の本がわかりやすいです。
簿記や法律について理解しやすくなるので、資格試験や会社のことについて知りたいと思ったならオススメです。
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