無理に笑顔をつくって働くのが嫌な人たちのための本

本紹介

上司や家族の機嫌を伺いながら対応しなきゃとビクビクしてはいませんか?

ニコニコしながら働くのを強制されるうちに作り笑いばかり上手くなったもののプライベートでの笑うことが少なくなってはいませんか?

  • もうそんな労働は嫌だという人
  • 他人をもてなすには我慢は仕方ないと思っている人

はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』をもとに苦しみを分析しましょう

【要約】

感じの良さのために素の感情を犠牲にする「感情労働」

本書では、相手に感じがよいと思ってもらえるように、自分の素の感情を抑制して管理しなければならない労働形態を「感情労働」と呼んでいます。

感情労働は今の日本ではサービス業だけでなくあらゆる方面でみられるといっても過言ではありません。振り返ってみても感情を偽ったことはすぐに思い出せるはずです。

働いているすべての人の問題と考えてもいいでしょう

裁量のない労働が「やりがい」を遠ざけ「感情労働」を生み出す

「多少大変なことがあっても、やりがいがあれば乗り切れる!」

入社前もしくは新人時代はこう思っていた人も多いのかもしれません。ただ裁量が殆どない若い世代は裁量がないため「やりがい」を感じられず「感情労働」に適応しなければならない機会が多いです。

極端な人なら「感情労働」で悩まないが・・・

  • 仕事に過度の過度の「やりがい」を求めずに職務を坦々と日々の業務を割り切ってこなせる人
  • 仕事を全力で愛し、自分のことを一流の職業人であると思い込むことができる人

本書ではこの2パターンの人であれば感情労働の仕事を長く続けることができるとされています。

どちらにせよ極端で、理想と現実のギャップでもやもやを感じながら生きる「普通の人」には当てはまらないですね・・・

普通の人ができる「感情労働」を生み出さないための対応策

察してくれることをお互いに諦める

「言葉を介さずにお互いが分かり合うことができない」と察してくれることを諦める。

しっかりとそれを互いに認めることができれば、他人に過度の期待を抱くことがなくなり、逆に相手といい関係が築けるようになる。

リーダーである場合の対応策

部下と本音を話したい場合は業務時間中に面談などの場を設けるほうが適切

業務時間後に飲みに行くのであれば、自分たちだけが気持ちよく過ごすためだけに若手や新人に感情労働の負担を押し付けていないか意識する

組織内で自分の思ったことや感じたことをそのまま言っても大丈夫な空気づくり

組織の空気を変えるには時間がかかり日々の地道な努力を重ねるしかない。その際に重要になるのは組織のリーダーの振る舞いで、まず「失敗を許容する空気」をつくること。

そのためには周囲に自分の弱さをさらけ出して、周りの助けを借りながらうまくチームを成功に導いていくことを繰り返すしかない

感情労働に殺されないための8か条

最終章では感情労働に対処するための8つのポイントを挙げています。見出しを以下に列挙します。

  • 「値段相応」という価値観を働く側も身に着けよう
  • 仕事に「裁量」がどれくらいあるかチェックすべし
  • 追いつめられるくらいなら「逃げ」の選択肢もOK
  • 客の事情に「深入り」は厳禁
  • 完璧な人なんかいない。半分できれば上出来と考える
  • 不満や不安は抱え込まずに言葉にする
  • モンスター相手に同じ次元で戦わない
  • 他人の前にまずは自分を大切にしよう

【感想】

感情労働は日本の組織の根深い問題であり、本書を読んだからといって今の職場のまますぐに感情労働で悩むことはなくなりはしないでしょうね・・・

ただ今までなんとなく嫌だと思っていたのであれば、「何が悩ませているのか」を分析するツールが本書につまっていますので問題を小さく切り分け、組織が処理できる大きさにすることができるかもしれません。

最終章は感情労働に個人として戦うための考え方として重要なポイントを8つもあげていますので、もし内容を詳しく知って実践してみたいと思った方はぜひ本書を読んでみてください。

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