「文章がうまくなりたい」
こう思ったときに検索をかければ、すぐさまライティング技術の情報が大量に目の前に表示されます。ただどれもこれも小手先な技術のような気がする。そもそも習得するのも繰り返しによる習得しかない。地道に覚えても意味があるのかと思ってしまいます。
どうせ学ぶなら壁にぶつかり悩んだときに、壁を壊すために向かうべき方向を示してくれる考え方が欲しい。異なる場所でも異なる時代でも垣根を越えてあてはまる原則を知りたいですよね。
そんな時は古典に戻りましょう。それもただの古典でなく現在まで読み継がれてきた古典。それが今回紹介する「セールスライティング・ハンドブック」です。
「セールス」を含むタイトル名で避けてしまう人もいるかもしれません。特に利益を求めず情報発信をしている方にとっては
ですがセールスこそ「読者のため」を考える分野です。本書でも繰り返し主張されています。また「読者は不熱心で根気もなく人任せな怠け者」とみなせば、より読者のためになる文章が書けるようになるとわかるでしょう。
インターネットが発達した現代のために2021年に増補改訂版で発行
まず第一の疑問として、30年以上も前の1985年に発売された本がインターネットが発達した現代でも参考になるかと思われる方もいるかと思います。
ただ安心してほしい。増補改訂版[新訳]が2021年5月に発行されています。そこで「オンライン広告」「ソーシャルメディア」「動画コンテンツ」「コンテンツマーケティング」のWEBに対応するための章が追加されている。また既存の章も最新情報を取り入れた形で改訂されているので時代遅れと気にすることなく参考にできるでしょう。
ノウハウ本は思考の過程に注目すべきだ
さて中身を見る前に本書から何を得たいかをまず考えてみましょう。
冒頭で挙げたように、目先の技術ではなく今後の壁に当たった際に解決策を生み出す知恵を得たい。そうですよね?であれば「どうすべきか」という方法論自体を抽出する意味はないでしょう。
本書を通して語られていること。つまり方法論を生み出す元となった考え方が何かをつかむことが重要です。
「読者の想定」
これが本書の方法論を生み出す源泉の考えとなっています。
読者は不熱心で根気もなく人任せな怠け者
「読者のために書け」
よく見かけるフレーズです。確かに相手のことを考えて書くことは読みやすい文章になるのは間違いありません。
ただ少し考えてみましょう。「読者」に着目して、どんな読者を想定するべきかを考えたことはありますか?確かに年齢や性別や興味のある分野といった属性を想定して書いてる人はいるでしょう。
今想定したいことは、すべてに共通な読者観です。たとえばネット上の読者、つまり我々が読む立場になったと思って分析しましょう。
- 小難しい文章を読む熱意はない
- 長い文章を読む根気もない
- 読み進めるモチベーションを自分で高めるつもりはなく書き手任せ
- 苦労もせずにすむ自分にメリットのある内容を求めている。
- 誇大広告は見抜けるようになり、懐疑的に文章を読む
- 多忙で時間がないから、できれば便利にすぐ入手したい
思い当たる要素ありませんか?もしもこのような読者に読んでもらえる文章は非常にわかりやすいはずです。
巷で溢れるライティング論では触れませんが、こういった読者に読んでもらうための方法論というわけです。
読んでほしいオススメ章
- 第1章 コピーライティングとは
- 第2章 パッと目を引くヘッドラインと件名
- 第3章 伝えるためのライティング技術
- 第4章 売るための文章
- 第5章 下準備をする
- 第15章 オンラインメディア用のコピーを書くには
- 第17章 コンテンツマーケティングを施策するには
第1章から第5章までを熟読して、残りは必要な章を参考にする読み方があっています。文章を書く上で気を付けることをわかりやすく体系的に本書の「読者観」より導いてくれます。
「セールスライティング・ハンドブック」で吸収したい考え方
読者は「読むことで何をもたらしてくれるのか」だけを気にする
つまらない、自分は関係ないと思われたら読まれることはないです。まず初めに触れるヘッドラインが重要
ただ読者はヘッドラインで気の利いた言い回しや笑いを求めているわけじゃないことを認識した方がいいでしょう。
問題については具体的に、解決策については曖昧に
タイトルや目次・見出しで情報量が少ないもしくは具体的な情報がすくない記事に、読者は関心を寄せないでしょう。
だからといって解決策までも具体的に明示され、秘密をばらしてしまったのであれば読者の好奇心は刺激されず、続きの本文はどんなに参考になろうと読まれることはありません。
自分語りは読者のためにならない
実績などの自分語りをすれば、権威付けされ記事の説得力が増すと勘違いしないように。
そもそも読者は広告つきの記事の書き手を信用していない。本当だと納得してもらうには相当努力しなければならないのです。それも読者にみえる範囲で
しようと思えば捏造もできる実績を書いたからといって読者の信用は得られない。信用を獲得するなら記事での積み重ねとデータ
最後に
セールスとは人の悩みを解決に繋げてお金を得ること。金銭が絡んでいるため、より真剣に相手のことを考えています。つまりセールスが「不熱心で根気もなく人任せな怠け者」な読者にわかりやすい文章を届けるのです。
今のネットには他人の欲望をメシの種とする人間が数多くいます。儲けられる分野だとわかれば、すぐさま粗悪な模倣が繰り返されてしまいます。
そんな状況だからこそ、「信用を獲得するには時間がかかるが、失うのは一瞬である」ことを認識して誠実な表現を心掛けていきたいですね
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